ブラチスラバ少年合唱団 日本盤CD ― 収録作品・作曲家紹介

ブラチスラバ少年合唱団CD

ブラチスラバ少年合唱団 日本盤CD ― 収録作品・作曲家紹介

ブラチスラバ少年合唱団が歌う、ヨーロッパの宗教音楽、スロバキアの作品、民謡、そして親しみ深いポピュラー音楽。

本作では、ルネサンスから現代まで、時代も国境も越えた全16曲を収録しています。

モーツァルト、シューベルト、フォーレといったクラシック音楽の巨匠たちだけでなく、スタニスラフ・シュリン、エウゲン・スホニュ、シルヴィエ・ボドロヴァーなど、日本ではまだ紹介される機会の少ない中欧・スロバキアゆかりの作品も収めました。

ここでは、日本盤CDに収録される作品と、その作曲家たちをご紹介します。


1. ジョヴァンニ・クローチェ

《Cantate Domino》

イタリア・ルネサンス期の作曲家、**ジョヴァンニ・クローチェ(Giovanni Croce)**による宗教合唱作品です。

ヴェネツィアの華やかな教会音楽文化の中で活躍したクローチェ。その音楽は、透明感のある声部の重なりと、明るく端正な響きを特徴としています。

「主に向かって新しい歌を歌え」という喜びに満ちた言葉とともに、少年合唱ならではの清らかな響きを味わえる一曲です。


2. モーリス・デュリュフレ

《Ubi caritas》

20世紀フランスを代表する作曲家・オルガニスト、モーリス・デュリュフレ(Maurice Duruflé)

グレゴリオ聖歌の響きを現代的な和声の中に取り入れた、静謐で深い音楽世界で知られています。

《Ubi caritas》は、「愛と慈しみのあるところ、そこに神はいる」という典礼文をもとにした作品。

静かな祈りの中に声が溶け合っていくような、美しい合唱作品です。


3. シモン・ブリクシ

《Magnificat I》

チェコ、ボヘミア地方の音楽文化を支えた作曲家、シモン・ブリクシ(Šimon Brixi)

《Magnificat》は、聖母マリアの賛歌として西洋音楽史の中で数多くの作曲家が取り上げてきたテキストです。

バロック期へと続く中欧の宗教音楽の伝統を感じさせる作品で、少年合唱の明るく伸びやかな声が映えます。


4. シャルル・グノー

《Ave verum corpus》

《アヴェ・マリア》やオペラ《ファウスト》でも知られるフランスの作曲家、シャルル・グノー(Charles Gounod)

グノーは華麗な劇音楽だけでなく、生涯を通して数多くの宗教作品も残しました。

《Ave verum corpus》は、静かな祈りと柔らかな旋律が印象的な作品。

少年たちの声が持つ純粋さを、穏やかな音楽の中で感じることができます。


5. フランツ・シューベルト

《Mille cherubini in coro, Op. 98》

歌曲王として知られるオーストリアの作曲家、フランツ・シューベルト(Franz Schubert)

短い生涯の中で、歌曲、交響曲、室内楽、宗教曲など膨大な作品を残しました。

《Mille cherubini in coro》は、優しく歌いかけるような旋律が印象的な作品。

少年合唱の柔らかな音色とともに、シューベルトらしい温かな歌心をお楽しみください。


6. W. A. モーツァルト

《Seid uns zum…》(《魔笛》より)

音楽史を代表する作曲家、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart)

晩年の傑作オペラ《魔笛》では、「三人の童子」が重要な役割を果たします。

透明で神秘的な少年の声は、《魔笛》という作品そのものを象徴する響きのひとつ。

少年合唱団だからこそ生まれる、モーツァルトの幻想的な世界をお楽しみいただけます。


7. セザール・フランク

《Psaume 150》

ベルギーに生まれ、フランスで活躍した作曲家・オルガニスト、セザール・フランク(César Franck)

《Psaume 150(詩篇150)》は、「すべて息あるものよ、主を讃えよ」という壮大な賛歌です。

重厚な和声と高揚感のある音楽が次第に広がっていく、力強い宗教作品。

少年合唱の澄んだ高音と豊かな響きが大きな音楽空間を作り上げます。


8. ガブリエル・フォーレ

《Cantique de Jean Racine, Op. 11》

フランス近代音楽を代表する作曲家、ガブリエル・フォーレ(Gabriel Fauré)

後の名作《レクイエム》にも通じる、優雅で透明な宗教的世界を若きフォーレが描いた作品です。

流れるような旋律と繊細な和声。

静けさの中から光が差し込むような、美しい合唱音楽をお聴きください。


ここからは、スロバキアと中欧の音楽へ

日本盤CDの大きな特徴のひとつが、日本では聴く機会の少ないスロバキアおよび中欧の合唱作品です。

ブラチスラバ少年合唱団だからこそ伝えることのできる、自国の言葉、自国の旋律、自国の音楽文化。

クラシックの有名作品とはまた違った魅力をお楽しみください。


9. スタニスラフ・シュリン

《Trnavská omša – II. Gloria》

スロバキアの作曲家・オルガニスト、スタニスラフ・シュリン(Stanislav Šurin)

スロバキアの宗教音楽文化と深く結びつきながら、現代に新しい教会音楽を生み出している音楽家です。

《Trnavská omša》より「Gloria」は、伝統的な典礼の言葉と現代の音楽感覚が結びついた作品。

歴史ある中欧の宗教文化が、現代の合唱音楽として息づいています。


10. エウゲン・スホニュ

《Aká si mi krásna》

20世紀スロバキア音楽を代表する作曲家の一人、エウゲン・スホニュ(Eugen Suchoň)

スロバキアの民族的な音楽語法と西洋クラシック音楽を結びつけ、同国の近代音楽の発展に大きな役割を果たしました。

《Aká si mi krásna》は、その美しい旋律によってスロバキアで広く親しまれている作品です。

母国の言葉で歌う少年たちの声から、スロバキアという国の音楽的な風景を感じていただければ幸いです。


11. ルドヴィート・ライテル 編曲

《A keď sa Janošek na vojnu bral》

スロバキアを代表する指揮者・作曲家の一人、**ルドヴィート・ライテル(Ľudovít Rajter)**による編曲作品。

民謡・民族音楽の旋律は、世代から世代へと受け継がれてきた「人々の記憶」でもあります。

合唱という形へと生まれ変わった旋律から、中欧独特のリズムや言葉の響き、そして民族音楽の生命力を感じることができます。


12. ガブリエラ・ベルナートヴァー 編曲

《Ej, lásko, lásko》

民謡の魅力を合唱の響きへと広げた、**ガブリエラ・ベルナートヴァー(Gabriela Bernáthová)**による編曲作品です。

「歌」は、必ずしも有名な作曲家だけによって生まれるものではありません。

人々が日々の暮らしの中で歌い継いできた旋律もまた、大切な音楽文化です。

少年たちの自然な言葉と声によって、中欧の民謡が生き生きと蘇ります。


13. シルヴィエ・ボドロヴァー

《Jara laj》

チェコを代表する現代作曲家の一人、シルヴィエ・ボドロヴァー(Sylvie Bodorová)

民族音楽的な要素と現代的な作曲語法を融合させた作品を数多く発表しています。

《Jara laj》では、リズム、言葉、声そのものの面白さが際立ちます。

少年合唱の生き生きとした表現力を楽しんでいただきたい一曲です。


14. ジョン・カーター

《Praise to the Lord》

**ジョン・カーター(John Carter)**による《Praise to the Lord》。

古くから歌い継がれてきた賛美の精神を、親しみやすい合唱の響きで伝える作品です。

荘厳な宗教曲とは少し趣を変えた、明るく温かな一曲としてお楽しみください。


15. アメリカン・スピリチュアル

《Hush》

アメリカン・スピリチュアルは、アメリカの歴史の中から生まれ、口伝によって受け継がれてきた音楽文化です。

《Hush》では、クラシック作品とは異なるリズム感や呼吸、言葉の躍動を聴くことができます。

ヨーロッパの少年合唱団がアメリカの伝統音楽をどのように歌うのか。

このCDの中でも、ひときわ異なる表情を見せる一曲です。


16. The Beatles

《When I'm Sixty-Four》

最後を飾るのは、**The Beatles(ザ・ビートルズ)**の《When I'm Sixty-Four》。

1960年代を代表する名曲のひとつで、「自分が64歳になったときも、あなたはそばにいてくれるだろうか」という未来への問いかけを、ユーモラスで温かな音楽に乗せています。

ルネサンス音楽から始まったこのアルバムの旅は、最後に20世紀を代表するポピュラー音楽へ。

何百年もの時間を越えて、人間は祈り、愛し、歌い続けてきました。

その歌を、次の世代を生きる少年たちが歌います。


16曲、16の物語。

宗教曲、クラシック、スロバキアの音楽、民謡、現代作品、そしてビートルズ。

国も時代も異なる音楽を一枚のアルバムに集めたのは、単に「名曲集」を作るためではありません。

少年たちの歌声を通して、さまざまな時代と地域に生きてきた音楽文化を日本へ伝えること。

そして、その記録を次の世代へ残していくこと。

ブラチスラバ少年合唱団の歌声とともに、ヨーロッパの長い音楽の旅をお楽しみください。

ブラチスラバ少年合唱団 日本盤CD
近日詳細発表予定