クラシック用語 ア
ア・テンポ
「ア・テンポ(a tempo)」は、音楽用語の1つで、演奏の速度を元のテンポに戻すことを指します。演奏中にテンポを変化させた後に、再び元のテンポに戻す際に使われます。
ア・テンポは、一時的にテンポを変化させた後に、再び元の速度に戻すために使用されるため、テンポの指示をする記号としてよく使われます。例えば、急速に速度を上げる「アッチェレランド(accelerando)」や遅くなる「リテン(ritenuto)」などの場合、ア・テンポを指示することで元の速度に戻すことができます。
ア・テンポは、演奏の一貫性を保つために重要な役割を果たします。特に、アンサンブル演奏では、メンバー全員が同じ速度で演奏することが重要なため、ア・テンポが正確に指示され、演奏者たちがそれに従うことが求められます。
アルコ
「アルコ(Arco)」は、音楽用語の一つで、弦楽器演奏において「弓で演奏する」という意味を持ちます。一方で、「ピッツィカート(Pizzicato)」は、弦楽器演奏において「指で弦を弾く」という意味を持ちます。
アルコとピッツィカートは、同じ弦楽器でも演奏方法が異なり、音色や表現が大きく変化します。アルコ奏法は、弓で弦をなぞることによって豊かな音色を生み出し、音の長さや強弱、弓の使い方によって多彩な表現を可能にします。一方、ピッツィカート奏法は、指で弦を弾くことによって、弦の振動を抑えた短い音符や、パーカッシブなリズムを奏でることができます。
アルコやピッツィカートは、クラシック音楽だけでなく、ジャズやポップスなど様々なジャンルで使われ、音楽の表現力を豊かにするために欠かせない要素となっています。
アルト
「アルト(Alto)」は、音楽用語の一つで、主に声楽や管楽器、弦楽器などで用いられる音域のことを指します。一般的には、低音域のテナー(Tenor)と高音域のソプラノ(Soprano)の中間に位置し、メゾソプラノ(Mezzo-soprano)やアルト・サクソフォン、アルト・ヴァイオリンなどがあります。
声楽においては、アルトは女性の声域としても男性の声域としても使われ、女性のアルト歌手はメゾソプラノと呼ばれることもあります。また、アルトは多声音楽においては、テナーやバリトンとともに中間声部を担当することが多く、重要な役割を持ちます。
楽器においては、アルト・サクソフォンは、バリトン・サクソフォンの上、テナー・サクソフォンの下に位置し、クラシック音楽からジャズまで幅広く使用されます。また、アルト・ヴァイオリンは、通常のバイオリンよりもやや小さいサイズで、高い音域を担当することが多く、バロック音楽などでよく使われます。
アルペジオ
アルペジオ(arpeggio)は、音楽用語の一つで、和音の音を一つずつ別々に演奏する奏法のことを指します。一般的には、和音を構成する音を上から順に弾いていくことが多いです。
アルペジオは、ピアノやギターなどの楽器でよく使われますが、他の楽器でも演奏することができます。また、和音を奏でるのと比べて、アルペジオは各音が明確に聞こえるため、旋律やリズムを強調するために用いられることもあります。
アルマンド
アルマンド(Armand)は、フランス語圏で一般的な男性の名前で、ドイツ語圏でもアルマント(Armand)として使われることがあります。また、英語圏ではArmandoとしても使われます。
また、音楽用語の一つとしても、アルマンド(armando)という言葉が使われます。これは、バロック期における音楽用語で、2拍子または4拍子の曲のうち、1拍目に長い音符(全音符または2分音符)を置き、次の拍に短い音符(16分音符や32分音符など)を置くリズムパターンを指します。このリズムパターンは、現代のロックやポップスの音楽でも使われることがあります。