クラシック用語 ク
クアジ
「クアジ (quasi)」は、音楽用語の一つで、イタリア語の「quasi」という言葉に由来します。音楽においては、「ほとんど」「いくらか」「準-」といった意味で使われます。
- クアジ・ヴィブラート(quasi vibrato):ほとんどビブラート。ビブラートに似た演奏技法で、少しだけ揺らすように音を強弱させることで、音の表情を豊かにします。
- クアジ・レガート(quasi legato):ほとんどレガート。レガートに似た演奏技法で、音符同士を少しだけ繋げるように演奏することで、滑らかな音を表現します。
- クアジ・フォルテ(quasi forte):ほとんどフォルテ。フォルテに近い音量で演奏することを指します。
- クアジ・センプリチェ(quasi semplice):ほとんどシンプル。シンプルな演奏を指します。
- クアジ・メタル(quasi metal):ほとんどメタル。メタルの音楽スタイルに似た音楽を演奏することを指します。
クアルテット
「クアルテット (quartet)」は、音楽用語の一つで、主に4人の奏者によって演奏される楽団またはアンサンブルのことを指します。クアルテットは、クラシック音楽、ジャズ、ポップスなどのさまざまなジャンルで演奏されます。
クラシック音楽では、クアルテットは通常、弦楽四重奏団として知られています。これは、ヴァイオリン2本、ヴィオラ1本、チェロ1本の4つの弦楽器で構成されるアンサンブルで、古典派から現代音楽まで、幅広いレパートリーを持っています。また、クラリネット四重奏、サキソフォン四重奏、ピアノ四重奏、フルート四重奏など、他の楽器を使用したクアルテットもあります。
ジャズでは、クアルテットは、ピアノ、ベース、ドラム、サックス、トランペット、トロンボーンなど、様々な楽器を組み合わせて演奏されます。代表的なジャズクアルテットには、チャーリー・パーカー、ジョン・コルトレーン、ソニー・ロリンズ、デイブ・ブルーベックなどがいます。
ポップスやロックの分野でも、4人編成のバンドをクアルテットと呼ぶことがあります。例えば、ビートルズ、ABBA、クイーンなどが代表的なクアルテットとして知られています。
クインテット
「クインテット (quintet)」は、音楽用語の一つで、主に5人の奏者によって演奏される楽団またはアンサンブルのことを指します。クインテットは、クラシック音楽、ジャズ、ポップスなどのさまざまなジャンルで演奏されます。
クラシック音楽では、クインテットは、通常、弦楽五重奏団として知られています。これは、2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、そして一般的にはコントラバスの5つの弦楽器から構成されます。また、管楽器のクインテットもあり、フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットから構成されるウィンドクインテットや、フレンチホルン、トランペット、トロンボーン、チューバ、打楽器から構成されるブラスクインテットなどがあります。
ジャズでは、ピアノ、ベース、ドラム、サックス、トランペット、トロンボーンなど、様々な楽器を組み合わせたクインテットがあります。代表的なジャズクインテットには、マイルス・デイビス、チャーリー・パーカー、デイブ・ブルーベックなどがいます。
ポップスやロックの分野でも、5人編成のバンドをクインテットと呼ぶことがあります。例えば、ビーチボーイズ、エアロスミス、レッド・ツェッペリンなどが代表的なクインテットとして知られています。
具体音楽
「具体音楽 (concrete music)」は、音楽の一ジャンルで、音響芸術や実験音楽の一形態として位置づけられます。
具体音楽は、音楽を演奏する楽器や声を使用せず、音響素材やフィールドレコーディングなどの録音された音響データを編集・加工して、新しい音楽作品を作り出す手法です。つまり、自然界や日常生活の音、機械音、人工物の音など、身の回りにあるさまざまな音を素材として使用しています。
具体音楽は、20世紀初頭にフランスの音楽家ピエール・シェフェールによって開発され、当初は「音響芸術 (musique concrète)」と呼ばれていました。その後、カールハインツ・シュトックハウゼンや、ルイジ・ノーノなど、他の音楽家たちによって拡張され、多様なスタイルが生まれました。
具体音楽は、自然環境の音や身の回りの音を音楽的に加工することにより、音楽としての新たな表現を創造するという、伝統的な音楽とは異なるアプローチを持っています。近年では、電子音楽やアンビエント音楽といったジャンルとの関係性も深くなっています。
組曲
「組曲 (suite)」は、音楽の一形式で、複数の楽曲をまとめたものを指します。組曲は、バロック音楽時代に発展した形式の一つで、ダンス曲を中心に構成されています。
組曲は、通常、4つから7つの楽章から構成されます。最も一般的な形式は、アレマンド、コランテ、サラバンド、ジーグといったダンス曲の他に、プレリュードやガヴォット、ジゴ、メヌエット、ガヴォットなどが含まれることが多いです。各楽章は、独立して演奏することもできますが、通常は一続きの曲として演奏されます。
バロック音楽以外にも、クラシック音楽、ロマン派音楽、近現代音楽などでも組曲が作曲されています。また、組曲は、オーケストラだけでなく、室内楽やピアノ曲、ギター曲、バンドアレンジなど、様々な編成で演奏されます。
組曲は、単一の楽曲の中に複数の楽章があるため、楽曲の変化に富み、聴きどころが多いことが特徴です。また、ダンス曲を中心に構成されているため、リズムやメロディーが明瞭で、親しみやすい音楽としても知られています。