クラシック用語 シ
終止線
「終止線」は、楽譜の記号の一つで、音符や休符の演奏を止めることを示す記号です。
楽譜の中で、通常は小節線で小節を区切り、小節の最後には終止線が置かれます。終止線は、その小節の最後の音符の上に置かれ、演奏を止めることを示します。また、連続する複数の小節において、最後の小節にのみ終止線が置かれる場合もあります。
終止線には、単線の縦棒(「|」)が使われることが一般的ですが、複数の縦棒を重ねたり、両端にフックをつけたりするなど、細かいデザインの違いが存在します。
なお、終止線以外にも、楽譜には演奏の指示を示す記号や記述が含まれており、演奏者はそれらを読み取り、正確に演奏することが求められます。
重唱
「重唱」は、声楽や合唱音楽において、複数の歌手や合唱団が同時に歌うことを指します。
一般的には、二重唱、三重唱、四重唱、六重唱、八重唱など、歌手やパートの数に応じて呼び方が異なります。また、合唱の場合は、通常「合唱」と呼ばれます。
重唱は、歌声の重なりによって、より豊かな音色や表現力を生み出すことができます。特に、オペラや音楽劇、宗教音楽など、大編成の楽曲においては、重唱の効果がより顕著に現れることがあります。
重唱は、楽譜において、歌手やパートごとに記号が異なり、歌唱のタイミングや強弱の指示がされています。重唱を演奏する際には、歌手や合唱団が密接に連携し、一体感のある演奏を目指します。
十二音音階
「十二音音階」とは、西洋音楽において、12の異なる音高を等間隔で配置した音階のことを指します。
通常の西洋音楽においては、8つの音階(ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド)を用いて曲を作りますが、十二音音階では、この8つの音階に加えて、変化記号を使って12の異なる音高を扱います。
十二音音階は、20世紀初頭にオーストリアの作曲家アルノルト・シェーンベルクによって考案され、現代音楽の中で広く用いられています。十二音音階を用いた作品は、既存の音楽の枠組みを打ち破り、現代音楽の新しい表現方法を生み出すことができます。
十二音音階を用いた作品は、通常の音楽とは異なる音響効果を生み出すことができますが、聴衆にとっては聴きにくい場合があるため、現代音楽をよく知らない人にとっては、馴染みのない音楽となっていることがあります。
十二音技法
「十二音技法」とは、西洋音楽における作曲の手法の一つで、12の音高を等間隔に並べた十二音音階を基に、既存の音楽の枠組みを打ち破る新しい表現方法を追求する手法のことを指します。
十二音技法は、20世紀初頭にオーストリアの作曲家アルノルト・シェーンベルクによって考案され、その後、彼の弟子たちや後続の作曲家たちによって発展されました。この手法では、十二音音階を基本的な音素として用い、それを基に音楽を構築します。ただし、十二音音階における音高の順序や配置には厳密なルールが設けられており、12の音高を1回ずつ使い切ってから、また同じ順序で12の音高を使い切ることを繰り返すことが求められます。
十二音技法を用いた作品は、通常の音楽とは異なる音響効果を生み出し、既存の音楽の枠組みを打ち破ることができます。しかし、ルールに厳密に従うことが求められるため、作曲者にとっては大きな制約となることがあります。また、聴衆にとっても馴染みのない音楽となることが多く、受け入れられにくい場合があります。
主音
「主音」とは、音楽において音階や和音の中心となる音のことを指します。一般的には、音楽の調性において、最も重要な音であり、その周りに他の音が組み合わされて曲が作られます。例えば、Cメジャーの場合、主音は「C」であり、その周りに「D」「E」「F」「G」「A」「B」といった音が組み合わされます。
主音は、音楽理論の中でも基本的な要素のひとつであり、和音の構成や進行などにも重要な役割を果たします。また、主音が変化することで、音楽の調性や雰囲気が変わることがあります。
主音は、一般的に音楽の譜面において、音符の下にあるキー記号によって示されます。例えば、Cメジャーの場合は、キー記号として「♮」が用いられます。