日本と世界をつなぐ少年合唱

ウィーン少年合唱団wikipediaより

主に声変わり前の少年で構成される少年合唱団。その美しい歌声は人々を魅了し、聴衆を癒してくれる素敵な存在です。

日本ではウィーン少年合唱団が、有名な少年合唱団でしょうか。毎年春の季節に日本全国をツアーし、その歌声は皆様もテレビなどでご覧いただいたことがあるかと思います。また、日本には世界の多種多様な少年合唱団が来日しています。その特性から「小さな外交官」という側面もあるのでしょう。

少年合唱団は、ソプラノやアルトから高低すべての音域にメンバーが配置されるものまで様々であり、変声期を経て声を鍛える必要もある。礼拝や演奏会に出演する伝統的な役割と、音楽的・芸術的な場面での地位があります。

メンバーは9~14歳の年齢にあたり、芸術家としての成長の段階であり、音楽教育や共同の演奏活動にも責任がある。少年合唱団は音楽的な役割だけでなく、音楽教育や共同の演奏活動にも役割を果たしています。

日本における少年合唱の歴史

日本における少年合唱の歴史は浅いものの、1950年代からの「少年合唱ブーム」により、ウィーン少年合唱団など海外の少年合唱団の来日公演が相次ぎ、日本にも数多くの少年合唱団が誕生いたしました。しかし、今現在に至っては多くの合唱団が男子だけの団員を維持できず、解散してしまったり男女混合の合唱団となっています。

日本における合唱団の現状については、合唱団をとりまとめる全日本合唱連盟に加盟している団体だけでも約4000団体以上あるとされています。しかし、純粋な少年だけで構成する「少年合唱団」は今現在、日本では10団体もありません。

また、昔と比べて「声変わり」が早くなっているのも原因だと考えられています。変声期がより早い年齢で始まる傾向が見られる理由は、良質な栄養摂取で体の発育が昔より健全になったのも理由の一つでしょう。

少年合唱団の設立や発展

日本の少年合唱団の歴史は古く、明治時代には既に存在していましたが、本格的に発展したのは戦後のことです。

戦後、日本では合唱が大衆化し、少年合唱団の設立や発展も進みました。1950年代には、全日本少年合唱祭(現在の全日本合唱コンクール)が創設され、各地の少年合唱団が参加する祭典として、全国的に注目を集めるようになりました。

その後、1964年には東京オリンピックの開催に伴い、日本の少年合唱団が海外でも注目されるようになり、世界的な合唱コンクールへの参加や海外公演が増えました。また、日本の少年合唱団の音楽的なレベルも向上し、日本国内だけでなく世界各地で高い評価を得るようになっています。

現在でも、日本には多くの少年合唱団が存在し、幅広い年齢層の団員たちが、合唱の魅力を追求しながら音楽的なスキルを磨いています。

コロナ禍における少年合唱

2019年後半に始まったコロナ禍において、日本の多くの海外アーティストの来日が不可能となりました。もちろん、海外の少年合唱団も例外ではなく、ウィーン少年合唱団や英国のボーイソプラノユニットLiberaなどの来日が中止となりました。

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、多くの活動が制限されている中、少年合唱もその影響を受けています。少年合唱は、一般的に密集した状態で歌を合わせるため、感染症拡大防止の観点から活動自粛や制限が行われることがあります。

しかし、いくつかの少年合唱団は、オンラインでの練習やパフォーマンスを行っています。ZoomやGoogle などのビデオ通話アプリを使用して、指導者と合唱団員がリモートで練習を行ったり、ビデオ編集ソフトを使って個々のパートを録音し、それを編集して合唱を作り上げたりするなどの試みが行われています。

数多くの合唱団がYouTubeなどで動画のオンライン配信などを行っており、合唱の在り方が替わった年になりました。

そんな中、令和4年10月11日には、新型コロナウイルス感染症に関する水際対策の強化に係る措置が緩和され、海外の少年合唱団来日の光明が見えてきました。

2023年は少年合唱復活の年に

2023年は、新型コロナウイルス感染症の影響が縮小し、少年合唱の復活が期待される年になります。長期間にわたる活動自粛の中で、多くの少年合唱団がオンライン練習やパフォーマンスを行うなど、新しい試みを積極的に取り入れてきました。

しかし、少年合唱の魅力は、やはりリアルなパフォーマンスであることは間違いありません。少年たちが声を合わせ、共に音楽を創り出す瞬間は、何物にも代えがたい感動を与えてくれます。

2023年には、多くの少年合唱団が再びステージに立ち、素晴らしい演奏を聴かせてくれることでしょう。すでにウィーン少年合唱団や、リベラなどの来日が発表されています。

また、新しい形式のパフォーマンスや、オンラインとオフラインの融合など、今後も進化し続ける少年合唱の魅力に期待が寄せられます。