スコラを率いるスコット先生へのインタビュー

スコット先生へのインタビュー

スコット先生へのインタビュー

2023年8月、一般社団法人日本少年合唱協会はイギリスの名門少年合唱団、カーディナル ヴォーン スコラ カントラムのソリスト4人を招聘いたしました。今回はスコラを率いるスコット・プライス先生にお話を伺うことが出ました。その様子を特別公開いたします。

カーディナルヴォーンスコラカントラムのスコット・プライス先生

カーディナルヴォーンスコラカントラムのスコット・プライス先生

今回は日本少年合唱協会の招聘に応えていただきありがとうございます。

スコット:こちらこそツアーを可能にしてくださりありがとうございます。この日本という素晴らしい国で歌うことができ、たくさんの景色を見ることができて嬉しいです。このような機会を与えてくださった協会に本当に感謝しています。

日本少年合唱協会にとって初めての招聘企画となりますが、なぜ応えてくださったのでしょうか?

スコット:非常にエキサイティングな機会だと思えたからです。あなたの計画は非常に良いものであるのは明らかでした。私たちのツアーは本当にエキサイティングなものになるでしょう。素晴らしい機会だと思いました。
このような仕事をしている誰もが、最初は初めての経験なのです。

日本に少年合唱の良さを広めたくてこの活動をしています。イギリスにはどれくらい少年合唱団があるかご存知ですか?

スコット:イギリスには長い伝統の合唱団がたくさんあります。ウェストミンスター寺院聖歌隊、セントポール大聖堂合唱団など非常に有名な合唱団はもちろんのこと、イギリスには強い少年合唱の伝統があるので、私たちはとても熱心に取り組んでいます。同じことがドイツにも当てはまりますが、他のヨーロッパ諸国ではこの2国ほど多くはないので珍しいかもしれません。

今回来日したスコラのソリスト。左からダニエル、キアラン、マラカイ、アンジェロ。

今回来日したスコラのソリスト。左からダニエル、キアラン、マラカイ、アンジェロ。

1曲マスターするのにどれくらい時間がかかりますか?

スコット:スコラにいるメンバーはどの子も楽譜を読むことができます。今回来日しているメンバーは特に楽譜を読むことに長けており、音楽を非常に早く習得できます。特にあなたが親切に送ってくださった日本の歌「浜辺の歌」はコンサートの前に2回歌い、10分で覚えました。
彼らは非常に優れた読書家であり自信をもっています。彼らは例外的です。聴いて歌うことで音楽を読んでいます。なので彼らは音楽を非常に早く学ぶことができます。

日本語の歌詞は難しくないですか?

スコット:難しくはなかったですが正直日本語が合っているかどうか分からないです。確認する機会がなかったので。彼らは見た目通りに歌っているだけです。それが正しい日本語だといいのですが…間違っているところがあったらごめんなさい。

子供たちは日本を満喫していますか?

スコット:ええ、子供たちも先生たちもとても楽しんでいますよ。

初めての招聘ということでお客さんも少なくて申し訳ないのですが、その点はどう思いますか?

コンサートを行うスコラの皆様

コンサートを行うスコラの皆様

スコット:いいえ、全く気にしていません。日本でスコラがまだ有名ではないことは知っています。動揺していません。私たちは歌うのが本当に大好きで、最初の札幌コンサートはいろんな意味で私たちらしかったなと思います。

時差ボケと移動時間はかなり大変でしたが、札幌のコンサートができて本当によかったです。かなりお客さんはいたと感じましたが、満席ではありませんでした。もし満席だったら少し圧倒されていただろうと思います。

だからあなたは心配する必要はないですよ。大丈夫です。このような機会を与えてくれて、美しいホールで歌えることができて本当に感謝しています。もしお客さんが数人しかいなかったとしても、それは問題ではありません。

私たちはそれでも自分たちの仕事をするつもりです。主催者さまには本当に感謝しています。

スコット先生はいつスコラの先生になりましたか?またその前は音楽を専門的に学ばれていたのでしょうか?

スコット:オックスフォード大学で学び、別の合唱団で教えていました。私は合唱団の本拠地である学校で30年近く働いてきました。前任者からスコラを引き継いだのは2012年なので、もう11年になりますね。

イギリスの少年合唱団の未来は?少年合唱団のジャンルは無くなると思いますか?

スコット:確かに多くの合唱団は混声になりつつあります。少年合唱の素晴らしい機会を提供することはどんどん受け入れられなくなってきています。セントポール大聖堂聖歌隊や他の合唱団も本当に素晴らしい機会を与えてくれます。

その機会を男の子だけに提供することは受け入れられなくなってきているので、最近ではケンブリッジ・セントジョンズは混声になったり、セントポールも混声になる予定です。そのため男子のみのコンサート旅行は減ってきています。

私たちは男子校ですが、年長には女の子がいます。下級生は男子だけなので混声になることは今はありません。
混声になることが残念だと思う人もいるのは知っています。全ての機会を公平にすることは難しいですし男子だけに与えられて女子にはできないという教育は確かに間違っているように思います。

ある意味問題です。少年合唱の音楽性を失うのは残念だが、女の子たちにもその機会があるのはもちろん正しい事です。
スコラは上級生の女の子には女の子だけの合唱団があります。

また日本に来たいですか?

スコット:ぜひとも!

今度はフルメンバーで来日してほしいです!

スコット:そうですね、それは素晴らしいです。私たちは50人います。

ロンドンに遊びに行ってみたいですが、何かオススメの場所はありますか?

スコット:そうですね、トラファルガー広場やロンドンアイ、セントポール大聖堂、国会議事堂などですね。

スコラに入るためにオーディションはありますか?

リハーサル中の子供たち

リハーサル中の子供たち

スコット:聴音テストやピアノの2音を同時に弾いて正確に歌えるかどうか、Happy Birthdayを歌って音楽性をテストします。多くの子供たちは学校に入る前は専門的に学んだことがなく、彼らが必ずしも優秀であるとは期待していませんが、彼らが正確に音を合わせることができれば半分はクリアできます。

最後に、なぜスコラはこんなにレベルが高いのですか?

スコット:ありがとう。そう言っていただけて嬉しいです。でも子供たちは私から学ぶよりも、子供たち同士で教え合っています。お互いの真似をすると互いにより多くのことを学べると思います。年長の子が年下の子に教えることもあります。それが維持されているので、さらに良くなる可能性が出てきます。
特に今回のメンバーは素晴らしいですよ。アンジェロはまだ新人ですが、他の3人はすでにものすごい才能に恵まれています。彼らはお互いを真似して学びを深めています。彼らがスコラ全体のレベルを引き上げています!

スコット先生、お忙しいなかロングインタビューに応えてくださり本当にありがとうございました!