クラシック用語 セ
絶対音感
「絶対音感(ぜったいおんかん、perfect pitch)」とは、人が音を聴いたときに、その音が何の音であるかを自然に認識する能力のことを指します。例えば、Aの音が鳴っていると、それがAであるとすぐに認識できるという能力です。
絶対音感を持つ人は、音楽を演奏したり作曲したりする際に、調律や音程を正確に把握することができます。一方、絶対音感を持たない人は、外部の基準音などを聞いてから、音程を認識することが多いです。
絶対音感は生まれつきの能力とされており、遺伝的な要因が関係していると考えられています。一方で、幼少期の音楽的な環境やトレーニングによって、絶対音感を身につけることも可能だとされています。特に、幼い時期に音楽に触れることが多い環境で育った人が絶対音感を持ちやすいとされています。
絶対音感は、音楽家や作曲家だけでなく、言語学者や言語研究者などにとっても重要な能力であるとされています。例えば、言語の音声信号を正確に認識するためには、音高や音程を正確に把握する必要があるため、絶対音感が役立つ場合があります。
セリー音楽
「セリー音楽(Serial music)」とは、音楽理論の一つで、12音技法とも呼ばれます。この手法は、音楽におけるメロディー、ハーモニー、リズムなどの構成要素を、固定された12の音階から選択することによって、音楽作品を構築する方法です。
セリー音楽の起源は、ウィーン楽派の作曲家であるアルノルト・シェーンベルクによって発展されました。シェーンベルクは、従来の調性音楽に対する批判から、音楽の構造を自由に組み立てる方法を探求し、セリー音楽を開発しました。
セリー音楽では、まず12の音階から成る「基本形」と呼ばれる音列を作成します。この音列を元に、メロディーや和声、リズムなどの音楽構成要素を決定します。このように、12音技法は、音楽における全ての音素材を厳密に規定する方法であり、慣習的な調性音楽に代わる、新しい音楽の表現方法として注目されました。
セリー音楽は、現代音楽において重要な手法の一つであり、多くの作曲家によって採用されています。また、セリー音楽の考え方は、音楽理論のみならず、芸術全般においても重要な影響を与えたとされています。
セレナード
「セレナード(Serenade)」は、もともとは夜の屋外で演奏される軽い音楽のことを指していましたが、後に室内楽曲のジャンルとしても用いられるようになりました。
セレナードは、一般的には4~6つの楽章から成り、通常は弦楽器を中心とする室内楽編成で演奏されますが、木管楽器や金管楽器を含む大編成のものも存在します。曲調は軽快で、愛らしい旋律や軽快なリズムが特徴的で、しばしば舞曲の要素を含みます。
セレナードの起源は、17世紀にフランスで流行した夜の室内音楽の形式にさかのぼることができます。この音楽は、公式な演奏会ではなく、貴族や上流階級の人々が、自分たちの屋外のパーティーなどで楽しむために演奏されたものでした。そのため、軽快で陽気な雰囲気が求められ、愛らしい旋律や踊りのリズムを含む音楽が作曲されました。
その後、セレナードは18世紀にイタリアにおいて室内楽曲のジャンルとして確立され、モーツァルト、ベートーヴェン、チャイコフスキー、ドヴォルザークなど、多くの作曲家によって作曲されました。現在でも、セレナードはクラシック音楽の中でも人気の高いジャンルの一つとして愛され続けています。
全音階
「全音階(ぜんおんかい、英: whole-tone scale)」とは、8音のうち6音が同じ距離(全音)で隔てられた音階のことを指します。例えば、Cから出発してC♯、D♯、F、G、Aの6つの音を半音階上げた音階が全音階になります。
全音階は、一般的なメジャーやマイナーの音階とは異なり、どの音も休むことなく流れるような独特の響きを持っています。そのため、20世紀以降の現代音楽やジャズ、ポップスなどでも多用されています。
全音階は、フランスの作曲家クロード・ドビュッシーが多用したことで有名です。彼は、全音階を用いた作品として「月の光」や「牧神の午後への前奏曲」などを作曲しました。また、モーリス・ラヴェルの「鏡」や、ジャズの名曲「テイク・ザ・Aトレイン」などでも全音階が使われています。
全音符
「全音符(ぜんおんぷ、英: whole note)」は、楽譜上で用いられる音符の一種で、4分音符の4倍の長さを持ちます。また、英語圏では「四分の一音符(英: whole note)」と呼ばれることもあります。
全音符は、音楽のリズムや拍子の中で最も長い音符とされ、伸ばして演奏することが一般的です。例えば、4/4拍子であれば、4拍分の音価を持ちます。
楽曲中で、全音符が現れる箇所は、しばしば重要なフレーズやメロディーのクライマックスなどに使用されます。また、全音符を用いた休符である「全休符(ぜんきゅうふ、英: whole rest)」も存在し、全音符と同様に4分音符の4倍の長さを持ちます。

