クラシック用語 ソ

装飾音

装飾音 (そうしょくおん、英: ornamentation) は、音楽用語の1つで、音楽において必要ではないが、表現力や複雑さを高めるために加えられる音符または音符の連なりを指します。装飾音は、様々な音楽のジャンルで異なる形式や目的で使用されます。バロック音楽では、感情や情緒を表現するために使われ、ジャズ音楽では即興演奏の技巧や表現力を高めるために使われます。

装飾音には、以下のような種類があります。

トリル (trill):2つの音符を速く交互に演奏することで、音楽の情熱や緊張感を表現します。

グリッサンド (glissando):2つの音符の間で指や口を滑らせることで、なめらかな音楽効果を作り出します。

アポジャチュラ (appoggiatura):主音符の前に短い附音符を演奏することで、主音符を強調し、音楽の表現力を高めます。

装飾音の音程 (ornamentation):メロディーに追加の音符や音符の連なりを加えて、音楽の複雑さや表現力を高めます。

ベンド (bend):楽器で音高を変えることで、音楽の感情や情緒を表現します。

これらの装飾音は単独で使用されることも、組み合わせて使用されることもあり、独特で複雑な音楽効果を作り出すことができます。

相対音感

相対音感(そうたいおんかん、英: relative pitch)は、音楽用語の1つで、音の高低の関係性を聞き分ける能力のことを指します。相対音感を持つ人は、ある音の高さや音程がどのように変化しているかを聞き分けることができます。

相対音感を養うためには、音程の関係を学び、それらを認識する練習が必要です。例えば、主要な音程を覚えて、それらを繰り返し聴いて、音程の関係を覚えることができます。また、メロディーを聴いて、その音程を歌ってみたり、楽器で演奏してみたりすることも相対音感を養うのに役立ちます。

相対音感は、音楽理解や作曲、演奏の上で重要な役割を果たします。例えば、楽器で演奏する際には、他の楽器と調和をとるために相対音感が必要です。また、作曲においても、音程の関係を理解して、美しいメロディーや和声を作り出すことができます。

総譜

総譜(そうふ、英: score)は、音楽作品全体の楽譜で、複数の楽器や声部の音符を一つの楽譜にまとめたものを指します。総譜には、楽曲全体のメロディーや和声、リズムなどが書かれており、演奏者が演奏する際に必要な情報がすべて含まれています。

総譜は、一般的に指揮者や作曲家が使用することが多く、複数の楽器や声部が同時に演奏される場合には、それらを調和的にまとめるための基本的な情報源となります。総譜を見ることで、どの楽器がどのような音符を演奏するか、また、各楽器がどのような役割を担っているかを理解することができます。

総譜は、一般的に大きな紙に印刷され、折り畳まれて収納されることが多いです。現代では、デジタル化された総譜が利用されることも増えており、スマートフォンやタブレット端末で総譜を閲覧することができるようになっています。

属音

属音(ぞくおん、英: dominant)は、音楽用語の1つで、和音において、主和音の第5音(第5音程)を基音とした和音のことを指します。例えば、Cメジャーの主和音はC、E、Gの音から構成されるため、属音はG、B、Dの音から構成されるG7やG9の和音などが該当します。

属音は、主和音とともに、和声において重要な役割を果たします。属音は、主和音に対して不安定な音とされており、主和音に導かれるように感じられます。また、属音が次の主和音への導入音として用いられることが多く、和声の流れをつなぐための役割も担っています。

属音は、単独で演奏されることはあまりありませんが、和音の中で用いられることが多く、ジャズやブルース、ロックなどの音楽ジャンルでは、属音を強調した和音進行が多用されています。

属調

属調(ぞくちょう、英: dominant key)は、音楽理論において、主要調または短調の第5音(属音)を基音とする調性のことを指します。例えば、Cメジャーの第5音であるGを基音としたGメジャーやGマイナー、またはA短調の第5音であるEを基音としたEメジャーやE短調などが該当します。

属調の主和音は、主和音の第5音である属音を基音とした属7和音(G7など)がよく用いられます。また、属調の調性は、主要調の次に使われる頻度が高い調性の1つであり、多くの曲で属調を使用する和音進行が見られます。

属調は、主要調と比較して、力強く、進行性があるとされています。そのため、属調を使った曲は、盛り上がりや展開が効果的に表現されることがあります。また、属調を使った和音進行は、ジャズやブルース、ロックなどの音楽ジャンルでよく用いられます。