クラシック用語 テ
提示部
提示部(ていじぶ)とは、楽曲の始めに演奏される旋律や主題、またはそのための導入部分のことを指します。提示部は、ソナタ形式をはじめとする多くの楽曲形式において重要な部分で、聴衆に楽曲のテーマやキー、リズムなどを提示することで、曲の聴き手を引き込みます。
提示部が終わると、続く展開部や再現部で提示された主題が発展し、様々な音楽的な展開が行われます。提示部は、一般的には繰り返し演奏されることがあり、楽曲全体を構成する重要な要素の一つとなっています。
ディアトニック
ディアトニックとは、音楽理論において、七音音階のうち、全音階と半音階だけを用いて構成される音階のことを指します。一般的には、メジャースケールやナチュラルマイナースケールなどがディアトニックな音階です。
ディアトニックな音楽は、一定の調性を持っており、親しみやすいサウンドが特徴的です。一方で、クロマティックな音階(半音階のみで構成される音階)を使うことで、より複雑な表現や音楽性を追求することができます。
ディヴィジ
「ディヴィジ (divisi)」とは、オーケストラや合唱団の楽譜上で、同じ楽器やパートの演奏者が分割されて異なる音を演奏することを指します。つまり、一つのパートに複数の演奏者がいる場合に、それぞれが異なる音符を演奏することです。
例えば、第一ヴァイオリンのパートに「div.」と書かれている場合、第一ヴァイオリンの演奏者たちは、楽曲のある部分から異なる音符を演奏するよう指示されます。このようにして、音楽的な表現力を豊かにすることができます。
ディヴィジは、オーケストラや合唱団の中でも比較的小規模な編成で使用されることが多いです。また、オーケストラの場合、パートごとに演奏者が異なる楽器を使用する場合もあります。
ディベルティメント
「ディベルティメント」とは、17世紀から18世紀にかけて主にフランスで流行した、軽快で明るい楽曲のジャンルの一つです。しばしば舞踏会や社交場で演奏され、庶民的な雰囲気の中で楽しまれました。
ディベルティメントは、器楽曲や歌曲、舞曲などが自由に組み合わされ、陽気で軽快なムードが醸し出されることが特徴です。また、様々な楽器を使用することで、音楽的な多彩さや複雑さも追求されました。
後には、オペラやバレエ音楽において、ある場面の音楽的なインターミッションとして用いられるようにもなりました。
ディエス・イレ
「ディエス・イレ」とは、ラテン語で「怒りの日」という意味です。キリスト教の審判の日を表現する言葉として、また、その審判の日に死者が直面する神の裁きを描写した詩的な表現として用いられます。
音楽においては、この言葉を題材にしたレクイエムやミサ曲などが作曲され、壮大な音楽的表現や、力強く厳粛な雰囲気が特徴的です。また、現代のポピュラー音楽においても、「ディエス・イレ」というフレーズを歌詞に用いることがあります。