クラシック用語 ト

「度 (degree)」とは、音楽理論において音階を構成する音の位置を表す用語です。音階は、音高の高低を規則的に並べたもので、1つの音階には7つの音が含まれます。これらの音をそれぞれ「1度」「2度」「3度」…と呼びます。

例えば、Cメジャーの場合、Cを1度として、Dを2度、Eを3度と数えます。同様に、Dを1度として、Eを2度、F#を3度と数えることもできます。このように、音階においては、どの音を1度とするかによって度数が変わることに注意が必要です。

また、度数は、和音の構成音を表す場合にも用いられます。和音とは、複数の音を同時に鳴らしたもので、主に三和音や七和音が用いられます。三和音の場合、ルート、サード、フィフスの3つの音が重要で、それぞれを1度、3度、5度と呼びます。七和音の場合は、1度、3度、5度、7度の4つの音が重要となります。

度数は、音楽理論の基本概念であり、作曲や編曲においても重要な役割を果たします。

動機

「動機(どうき)」とは、音楽において、旋律やリズムの中で繰り返し現れる、意味のある単位です。楽曲の中での出現回数が多く、主題を形成する要素として重要な役割を担います。

動機は、単音から成る場合もあれば、複数の音から成る場合もあります。例えば、ベートーヴェンの交響曲第五番「運命」の冒頭で聴かれるショートショートショートロングのリズムは、有名な動機として知られています。

動機は、楽曲の中での繰り返し出現だけでなく、変形や発展を経て、新たな表情を生み出すこともあります。また、動機が楽曲の主題に発展することもあります。

動機は、作曲家や編曲者が楽曲の構成や展開を考える上で、非常に重要な要素となっています。

頭声

「頭声(とうせい)」とは、声楽の用語のひとつで、声帯が緊張して高音域を出すときに使われる発声法のことです。男性歌手が高い音を出すときに用いられることが多く、女性歌手でも使用されることがあります。

頭声は、声帯の前部を振動させて音を出す方法で、基本的には自然な発声法です。ただし、高音域で音を出す場合には、通常の発声法では声帯の緊張が強くなり、高音を出すのが難しくなってしまいます。このため、頭声を使って高音を出すことで、声帯の緊張を軽減し、高い音を比較的容易に出すことができるようになります。

頭声は、胸声と対比される概念として用いられることがあります。胸声は、声帯の後部を振動させて音を出す発声法で、低い音域で使用されます。声楽においては、頭声と胸声を使い分けることで、より豊かな音楽表現を追求することができます。

トゥッティ

「トゥッティ(tutti)」とは、イタリア語で「全員で」という意味があり、音楽においては、全奏することを表します。例えば、オーケストラの場合には、指揮者の合図で全楽器が一斉に演奏する部分をトゥッティと呼びます。

また、トゥッティはソロ楽器との対比概念としても用いられます。例えば、協奏曲の場合には、ソロ楽器が主旋律を演奏し、オーケストラが伴奏する部分という形で演奏されます。このとき、ソロ楽器とオーケストラとの対比で、オーケストラの演奏部分をトゥッティと呼ぶことがあります。

また、合唱曲の場合には、トゥッティという言葉が使用されることもあります。これは、合唱の全員が一斉に歌う部分を表します。合唱曲の場合には、ソロパートとトゥッティパートが交互に現れることがあります。

ドゥムカ

「ドゥムカ(dumka)」とは、ウクライナやポーランドなど東欧の民族音楽に由来する楽曲形式の一つで、4分の4拍子や4分の8拍子の緩やかなテンポで演奏されます。

ドゥムカは、しばしば複数の部分から構成され、それぞれが異なるリズムやキーで演奏されることが特徴です。曲の中でしばしば転調が行われたり、急速なテンポへと変化することもあります。

ドゥムカは、主にヴァイオリンやチェロなどの弦楽器を中心に演奏されることが多く、また、ピアノ独奏や合奏曲の形式でも用いられます。また、後期ロマン派音楽においては、多くの作曲家たちがドゥムカの要素を取り入れた作品を作曲しています。